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1.GLP-1受容体作動薬について
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インクレチン(Incretin:Intestine Secretion Insulin)は腸管から分泌され、
膵β細胞に作用してインスリン分泌促進する物質です。
近年、2型糖尿病治療薬として注目されており、その薬理や治療への応用などについて、
総説も出ています。『参考文献:【IFA_091】~【IFA_094】』
また、雑誌「医学のあゆみ」2010年5月1日号(233巻5号)では、
「インクレチンのすべて」という特集が組まれています。
インクレチンは分泌後すぐに分解され、効果を維持できないことから、
効果の維持を期待できるGLP-1受容体作動薬と、分解を阻害するDPP-4阻害薬とが開発されています。
このうちGLP-1(Glucagon-like peptide-1)受容体作動薬は、
DPP-4による分解に抵抗性があり、効果時間も長く1日1回ないし2回の皮下投与で作用を維持でき、
糖低下時にはその作用が減衰し、低血糖を押さえることができるなど副作用も少ないとされています。
『参考文献:【IFA_095】~【IFA_096】』
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2.GLP-1受容体作動薬の開発動向
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①エクセナチド(Exenatide)はすでに2005年に米国FDAの承認を得ており、
商品名Byettaとして欧米では使用されています。
日本では第II相試験は2008年に終了しています。
現在第III相試験が行われており、1つは日本を含むアジア数カ国での多施設試験であり
(Clinicaltrials.gov試験番号 NCT00917267 2011年6月終了予定)、
もう1つは日本の多施設で実施されています。
(Clinicaltrials.gov試験番号 NCT00935532 2011年12月終了予定)
②リラグルチド(Liraglutide)はすでに日本での第III相試験が終了しており、
『参考文献:【IFA_097】』
2009年11月医薬品医療機器総合機構の承認も得ています。
(http://www.info.pmda.go.jp/shinyaku/g100112/62002300_22200AMX00236_A100_1.pdf)
ビクトーザの商品名で日本でも2010年6月11日に発売されています。
『参考文献:【IFA_098】』
2型糖尿病治療薬インクレチン
1 GLP-1受容体作動薬