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電子ジャーナルについて その2

近年、(特に海外の出版社において)
学術論文をPDFやhtmlなどの電子版として提供することが多くなってきました。


前回より、電子ジャーナルをテーマにお送りしている「学術情報マメ知識」。


今回は、国立国会図書館のデジタル資料への取り組みを中心にお送りします。


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┃◆ 国立国会図書館とデジタル資料
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国立国会図書館には、書籍やレコード、CD、そしてなんとゲームに至るまで、
多くの資料が保存されています。


お探しの資料がなかなか見つからない場合、
国立国会図書館が「最後の駆け込み寺」なんて方もいらっしゃるかと思います。


実は、出版社や新聞社、学術団体などは、
自身が発行した出版物を国立国会図書館へ納入しなくてはならないきまりがあります。


これを「納本制度」といいます。
この制度により、国立国会図書館は様々な資料を収集・保存することが出来ます。


それでは、電子ジャーナルについても、
国立国会図書館に納本する義務があるのでしょうか?


電子ジャーナルの場合、DVDやCD-ROMなどの
パッケージとして提供される電子ジャーナルには納本の義務がありますが、
(印刷版が存在せず)インターネットのみで流通する電子ジャーナルには、
納本の義務はありません。


現状は、納本制度化については、
「試行段階」もしくは「検討中」というのが実情です。


しかし、国立国会図書館では、
オンラインでしか流通しない情報について、
収集・保存・提供を行う取り組みを始めています。


例えば、「Warp」というプロジェクトでは、
無料公開の雑誌や市町村のホームページを中心に
Web上の情報を収集・保存する取り組みが行われています。

【国立国会図書館 Warp】
http://warp.ndl.go.jp/

更に、「Porta」というプロジェクトでは、
色々な機関のデジタル化された資料を
横断的に検索することが出来るシステムを構築しています。

【国立国会図書館 Porta】
http://porta.ndl.go.jp/


また、国立国会図書館とは別に、
独立行政法人科学技術振興機構(JST)では、
電子ジャーナルの公開ノウハウを持たない学会・協会に対し、
電子ジャーナルを公開するシステムを無料で提供しています。

【J-STAGE ジャーナル一覧】
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/_societylist/-char/ja

このような取り組みは今後も増えていくと思います。


ちなみに、他の国に目を向けてみると、
カナダでは、いち早く2007年に、出版社に対しオンライン電子出版物の納本義務を課しています。


現時点で対象となっているのは、主に雑誌や年鑑、書籍、学術雑誌とのことです。


更に、ドイツでも2008年に、オンライン電子出版物の納本について取り組みを始めています。


こちらはまだ試行段階とのことですが、
現在のところ、学位論文、書籍、雑誌が対象となっています。

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